『グリム・エーリング』
Music & Lyrics：Mt.Blue
Vocal：Oto
あの街を離れ、この町に戻った
車窓が切り取ったこの景色は
何年、十何年と変わることは無かった
風に揺られ、シャッターが泣いた
まるで時が止まってしまったこの世界で
自分だけが歳を重ねたような気がしていた
ほろ苦い記憶の枝をざわめかせてく
涼やかな風に触れた
傾く光を追いかけて
はじまりの場所へ向かった
時代のせいだと言い聞か せながら
いやでもあの頃が脳裏を掠め
居場所の無い居場所へ辿り着いた
重く低くのしかかる
雲が息を詰まらせる
話の通じないような
籠の鳥ばかり
格子の先に見える
景色の向こうへの憶測が
僕を貶める
この世界を蒼く、蒼く染める意味は
どこにあるだろう？
ここから何処へ逃げればいいの
新しい世界の中飛び込めばきっと
気休めにはなるかもな
厚く低い雲が切れ
太陽の光が差し込む
まるで真っ直ぐに鋭く
刺さった剣のような一筋の閃き
また君と旅をしよう この場所を
抜け出そうまた自由に翔べるように
空を知らない籠の鳥は
翔び立つ鳥を認めはしない
自分の居る場所をこれまでの選択を
間違っていないはずだって叫ぶように
まるで時が止まってしまったこの世界で
自分だけが歳を重ねたような気がしていた
青い空を知ってしまった僕らの翼は
ここには似合わないよな
誰より高い所へ
金切り声の トンネルを抜けて
まだ見ぬ街へ あの壁の向こうへ
